2025.03.12
2026.05.18 更新

HEPAフィルターとは?概要・仕組みなど導入する際の基礎知識

HEPAフィルターとは?概要・仕組みなど導入する際の基礎知識

空間を清浄化したいと考えている方に向けて、HEPAフィルターの概要や仕組みを解説します。

実験や研究を行う空間では、『不純物を効率的に集める能力』が求められます。そこで候補にあがるのが「HEPAフィルター」です。本コラムでは、概要や仕組み、取り扱う際の注意点について解説します。

HEPAフィルターとは?

HEPAフィルターとは、粒子径が0.3μmの場合、99.97%の捕集率を誇る高性能フィルターです。「High Efficiency Particulate Air Filter」の略称であり、「超高性能エアフィルター」とも呼ばれます。空気の中に含まれる微粒子を高い確率で集められる性能が高いことが特徴です。

ろ材はガラスの繊維で作られていることがほとんどです。空気清浄機にも広く利用されていますが、もともとは精密機器や半導体製品の製造工場で使用される換気装置用のフィルターとして開発されました。

出典:原子力科学研究所:気体廃棄物処理の流れ

HEPAフィルターが捕集する仕組み

HEPAフィルターが微粒子を集められる仕組みは、ガラス繊維のろ紙にあります。採用されているガラス繊維は直径1〜10μmで、何層にも重ねられているため、微粒子を効率的に捕集できます。たとえば空気中にある微粒子がろ紙に吸い込まれると、細かな繊維の隙間に衝突し、逃れられなくなります。

一般的に微粒子と呼ばれるものにはさまざまな種類があります。たとえばスギ花粉、黄砂、PM2.5などです。HEPAフィルターであれば、微粒子と呼ばれるもののほとんどを捕集できると考えられるでしょう。ろ過器として、微粒子とされる物質のほとんどを捕集できるとされています。

HEPAフィルターの寿命

HEPAフィルターの寿命は、製品や使用する環境によって変わるので、一概に何年とは言えません。導入時と比べて性能が低下した場合、メーカーの推奨基準を確認し、交換を検討してください。

HEPAフィルターで除去できる粒子

HEPAフィルターで除去可能な微粒子の種類は以下の通りです。

HEPAフィルターで除去可能な微粒子
微粒子の種類 粒子サイズ
ダニ 200〜300μm
スギやヒノキの花粉 30〜40μm
黄砂 10μm
ハウスダスト 10〜30μm
ダニのふんや死骸 1〜30μm
カビの胞子 2〜5μm
PM2.5 2.5μm
細菌 1〜10μm

HEPAフィルターは、0.3μmの微粒子をほぼ捕集できるとされる高性能フィルターです。そのためダニや花粉、黄砂、ハウスダスト、カビの胞子など、0.3μm以上の大きさがある微粒子であれば多くの場合で捕集できるでしょう。

HEPAフィルターの除去性能に関する基準

HEPAフィルターの規格には世界共通の規格があり、海外では日本よりもさらに高い性能が求められる場合があります。日本では0.3μmが基準とされていますが、ヨーロッパでは0.1〜0.2μmが基準です。

そのため、PM2.5や細菌などの小さな微粒子もキャッチできます。以上のように空気中の微粒子を高い精度で集められるのがHEPAフィルターの役割です。

HEPAフィルターが使われている製品

それではHEPAフィルターはどのような製品で活用されているのでしょうか。私たちの身近な製品の例を挙げて解説します。

事例1:家庭用掃除機

まずは家庭用掃除機のHEPAフィルターの活用例です。高品質な掃除機に限り、フィルターとして採用される場合があります。ただし掃除機の中でHEPAフィルターを採用するには、フィルターが設置されている環境を密閉しなくてはなりません。そのため高い技術力によって製造された掃除機にしか設置できないのが現実でしょう。製造にコストがかかるため、販売価格も高くなるかもしれません。

家庭用掃除機に搭載されていれば、自宅内の微粒子を効果的に除去できるでしょう。花粉やハウスダストなど、空気中の有害物質を吸引することで、家族の健康を守ることにつながります。

事例2:クリーンルーム

空気の清浄化が求められる部屋では、HEPAフィルターが活用されています。そもそもHEPAフィルターとはクリーンルーム用として開発されたフィルターです。

空気の清浄化が求められる部屋では、常に清浄な空気を供給し続ける必要があります。外部から侵入する埃やチリを基準値以下にすることが求められます。また大きな不純物を清浄空間内に侵入させないことも必要です。HEPAフィルターは基準値を維持するのに十分な性能を持っています。屋内を清浄に保つには、欠かせない存在です。

事例3:空気清浄機

HEPAフィルターが使われている製品として、空気清浄機もあげられます。空気清浄機には「プレフィルター」「集塵フィルター」「脱臭フィルター」の3種類が搭載されていることがほとんどです。3つのフィルターのうち、HEPAフィルターが採用されるのは集塵フィルターです。

集塵フィルターは空気清浄機の中の要であり、花粉やウイルスなどの微細な不純物を除去する性能を持ちます。自宅で使っている空気清浄機にも、HEPAフィルターが搭載されているかもしれません。

HEPAフィルターを交換する際の注意点

HEPAフィルターは性能が低下した場合、交換を検討する必要があります。しかし、交換の際には2つの注意点があります。これからHEPAフィルターを導入しようと考えているなら、あらかじめ交換の際の注意点も知っておいてください。

注意点1:交換時期は製品によって異なる

先に解説したように、HEPAフィルターの寿命は製品によって異なります。製品によっては10年間で1回の交換を推奨しているものもありますが、5年に1回交換しなければならないものもあるでしょう。

また、HEPAフィルターの交換時期は使用環境によって異なります。適切に判断するには、微差圧計を用いて性能をチェックする必要もあります。適切な交換時期はHEPAフィルターの状態を見ながら判断しなければなりません。

注意点2:付着しているウイルスに気をつける

HEPAフィルターを交換する際には、付着しているウイルスに注意してください。実験室や研究室では、有害な生物を取り扱うこともあるでしょう。HEPAフィルターに細かな生物が付着していることは十分に考えられることです。HEPAフィルターでろ過されていたとしても、付着している生物に触れてしまっては、安全性は確保されません。二次感染が引き起こされることもあるでしょう。

そのため、HEPAフィルターを交換する際には付着したウイルスに注意し、万全の対策を講じる必要があります。難しい場合は、専門の業者に依頼することをおすすめします。安全性を保つためのHEPAフィルターであるため、交換が終わるまで細心の注意を払ってください。

HEPAフィルターとは微細な生物も捕集できる

この記事を読んでいただくことで、HEPAフィルターとはどのようなものかがご理解いただけたと思います。HEPAフィルターを用いれば、細菌やPM2.5など、微細な不純物をろ過することが可能です。

オリエンタル技研ではHEPAフィルターが搭載されている空気清浄システムやパーテーションを提供しています。空間の清浄化を図る際に役立つ提案を行っていますので、ぜひお気軽にオリエンタル技研までご相談ください。

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オリエンタル技研工業株式会社は、研究施設・設備の総合エンジニアリング企業です。研究設備機器の開発から施設の施工・リフォームまで、豊富な経験と技術力で研究環境の課題を解決。研究者の潜在意識に触れる製品やデザインを通じて日本の技術革新に貢献します。

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