2025.12.03
2025.12.08 更新

耐薬品性とは?実験台に求められる理由と天板表面素材の種類

実験台を導入しようと考えた際、使い勝手の良さにこだわることも大切ですが、耐薬品性について確認することも同じくらい重要です。

特に、実験や研究の中で取り扱う薬品の種類によっては、労働安全衛生法や毒劇法に基づいた安全対策や管理が必要になることもあります。

そのため、耐薬品性のある実験台を選ぶことは、安全性と法令遵守の観点からも重要です。

本コラムでは実験台の導入を検討している方に向けて、耐薬品性とは何か、なぜ耐薬品性が必要なのかについて解説します。

また、実験台に使われている天板にはいくつかの種類があります。代表的な実験台の天板表面素材の種類についても紹介するので、ぜひご覧ください。

実験台における耐薬品性とは

耐薬品性とは、化学薬品に接触しても素材が劣化・変質しにくい性質のことをいいます。

一口に薬品といってもさまざまな種類があるので、取り扱う薬品に適した耐薬品性を持つ実験台を選びましょう。

耐薬品試験は素材ごとにJISやSEFA(米国科学機器協会)などの基準に従って評価されます。

一般的に耐薬品性のある天板は、薬品がついてしまった場合でも簡単に取り除けるのが特徴です。

実験台に耐薬品性は必要?

実験台に耐薬品性が必要かどうかについては、その実験台の上で何をするのかによって変わってきます。

基本的に、薬品を扱う場合は耐薬品性が必要です。実験台は薬品を扱う専門的な現場で使われることが多いため、天板の耐薬品性が重視されます。

ただし、どの程度の耐薬品性能を有しているかは選択する実験台の天板の素材によって大きく異なるので、よく確認しておかなければなりません。

耐薬品性が必要な作業にも関わらず耐薬品性のない天板を使用すると、薬品がこぼれた際に腐食や変色が起こる可能性があります。

薬品が天板に染み込んで有害物質が拡散した場合は、安全性の問題もあるため注意が必要です。

取り扱う薬品の中には、労働安全衛生法で管理が義務付けられている有害物質もあります。

SDS(安全データシート)に基づき、天板素材の耐薬品性と安全性の整合を確認しておくことが重要です。

実験台の天板表面素材の種類

一般的に実験台に使われる天板には、基本的に耐薬品性が備わっていることが多いです。

ただし、さまざまな素材や種類の天板があるため、耐薬品性能だけでなく、特徴や強みが異なります。

天板は、薬品や熱、物理的な衝撃など、さまざまな外的要因に常にさらされています。

そのため、用途に合った天板を選ぶことが、安全で効率的な実験環境を構築する鍵となります。

ここでは、汎用型標準天板と特殊用途型天板の二種類に分けて解説します。

汎用型標準天板

あらゆる研究環境においても高い耐薬品性が求められます。

酸、アルカリ、有機溶剤といった薬品が付着しても、天板が腐食したり変質しないことが、安全性を保つ上で不可欠です。

オリエンタル技研工業が標準天板として採用している「ケムサーフ」は、JIS規格に基づいた試験でその優れた耐薬品性と耐久性が証明されています。

JISに基づいた試験内容についてはこちらのコラムで詳しく解説しています。

また、ケムサーフは継ぎ目のない一体成型で作られているため、隙間に汚れや薬品が溜まりにくいのも大きな特徴です。

清掃がしやすく、衛生的な環境を保ちやすい設計です。

さらに、健康を考慮した室内環境基準であるGREENGUARD Gold認証を取得しており、有害な化学物質の放散を最小限に抑えます。

特殊用途型天板

耐薬品性だけ優れていれば問題無いというわけではありません。

精密な実験や特定の危険物を扱う環境では、さらに専門的な性能が求められます。

ここでは、代表的な特殊用途型天板を2つご紹介します。

静電気防止天板

精密な電子部品を扱うクリーンルームや、引火性の高い溶剤を使用する実験室では、静電気対策が命取りになります。

静電気放電(ESD)は、デリケートな電子回路を破壊するだけでなく、可燃性ガスに引火し、火災や爆発を引き起こす危険があります。

オリエンタル技研工業では、静電気を安全に逃がす機能を持つ静電気防止天板「フィサーフ」を採用しています。

特殊な合成樹脂をベースにしたこの天板は、非帯電性、耐久性、耐摩耗性に優れており、精密機器や電子機器を扱う実験の安全性を高めます。

耐熱性天板

アルコールランプ、ガスバーナー、高温のるつぼなど、直接的な熱を扱う実験では、極めて高い耐熱性が求められます。

汎用型の天板でも一定の耐熱性はありますが、高温に晒されると焦げや変形、破損につながる恐れがあります。

過酷な熱負荷がかかる作業には、不燃性の「セラミック(陶器)」製天板が適しています。

セラミックは本質的に燃えず、数百度の高温にも耐えることができます。また、耐熱性だけでなく、耐薬品性にも非常に優れており、厳しい環境下での安全な実験を可能にします。

ステンレス天板

ステンレス天板は、錆びにくく、耐久性が高いことが最大の特徴です。

ほとんどの試薬に対する高い耐薬品性・耐食性と、衝撃や熱に強い堅牢な耐久性があります。

表面が滑らかで非多孔性なため、汚れや微生物が浸透せず、清掃が非常に容易です。

常に衛生的に保てるため、信頼性の高い実験作業に最適な選択肢となります。

オリエンタル技研工業が取り扱うオールステンレス製作業台

安全のためにも耐薬品性に優れていることが重要

実験台を選ぶうえで重視しなければいけない「耐薬品性」とは何かについてご紹介しました。

天板表面素材にはどのような種類があるかについても、研究環境に合った種類が見えてきたのではないでしょうか。

薬品を扱う実験や研究で耐薬品性が不十分なものを選んでしまうと、安全性や各法令基準を保証できなくなります。

オリエンタル技研工業では、耐薬品性に優れた天板を取り扱っています。

他にもデザイン性や収納力、品質などにこだわった実験台をご案内できます。製品選びでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

当社製品の紹介ページはこちら

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