クリーンベンチとは?導入前に知っておきたい構造・種類と使い方
はじめてクリーンベンチを使用する方や、クリーンベンチを導入したいと考えている方に向けて、クリーンベンチとはどのようなものかを解説します。
作業空間の空気を清浄に保つための装置はいくつかありますが、代表的な候補のひとつが「クリーンベンチ」です。
しかし、どういった装置かがわからない、使い方がわからない、またはサンプル保護効果について詳しく知りたいと悩む方も多くいます。
そこで今回の記事では、クリーンベンチの構造や種類、具体的な使い方について解説します。この記事を参考にして、クリーンベンチ導入前に知っておくべき基礎知識を理解しておきましょう。
クリーンベンチとは?
「クリーンベンチ」とは、作業環境の清浄度を維持して、
空気中に漂うホコリや微生物から試料を保護するための装置のことです。
装置の周辺には囲いがついており、囲いの中では、フィルターを通して清浄化された空気が流れます。つまり装置の内部でのみ空気を清浄化をする、局所的で高性能空気清浄機だと考えてください。
フィルターには、高いろ過性能を有するHEPAフィルターもしくはULPAフィルターが用いられます。クリーンベンチの構造はJIS-B9922で規定されており、作業空間の清浄度が一定に保たれる仕様です。
クリーンベンチの構造
クリーンベンチの構造は、JISによって以下のように定義されています。
【クリーンベンチの構造】
- 保守・点検・整備を簡単に行える
- 空間内の壁面に剥離や錆(サビ)が発生しない
- ろ過されていない空気が流入しない
- 接地可能である
- HEPAフィルターもしくはULPAフィルターを搭載する
- フィルターは通常時において簡単に変質・腐食しない
- フィルターは保守・整備・交換のために脱着が容易である
- 経年変化によるエアロゾル漏れがない
- 人体に有害なものを取り扱う場合に適切に空気を排気できる
- JIS C 0903に準じる防爆構造である
- 照明灯と殺菌灯が同時に点灯しない
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クリーンベンチの使い方
それではクリーンベンチの具体的な使い方について見ていきましょう。
【クリーンベンチの使い方】
- 使用する1時間前から殺菌用ランプを点灯させる
- 殺菌用ランプを消灯させる
- 作業用ライトとファンの電源をオンにする
- ドアを20cm開けて5分放置する
- クリーンベンチに消毒剤を吹き付ける
- 作業者は爪を切り、手を石鹸で洗って水気をよく拭き取る
- 手から肘にかけて消毒剤をつけて消毒する
- クリーンベンチと使用器具を滅菌する
- フィルターのスイッチをオンにする
- 作業を行う
使い方の手順は以上のとおりです。
それぞれの手順について詳しく解説します。
作業者とクリーンベンチの滅菌
使う前にまず、作業者とクリーンベンチの滅菌を行います。作業前に装置のUVランプを点灯し、庫内を除菌します。
作業者も滅菌作業が必要となるため、爪を切り、手を洗い、肘から下を消毒してください。必要に応じて、使い捨てのグローブを装着します。
UVランプを消灯した後はドアを20cm開けたまま5分ほど作業用ライトとファンを稼働させましょう。 クリーンベンチ自体の消毒・滅菌は、エタノールやベンザルコニウム塩化物液を吹きかけることによって行います。
クリーンベンチで清浄な空間を作り出せたとしても、装置や作業者に不純物が付着していては意味がありません。
清浄な空間を保つため、滅菌作業を徹底してください。
クリーンベンチの使用
UVライトを消灯し、メインスイッチをオンにするだけで使用できます。もしシャッターがついているタイプの装置であれば、シャッターを降ろした状態で作業してください。
滅菌作業を終えた後のクリーンベンチの使用方法は非常に簡単です。
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クリーンベンチとは空間の清浄性維持に欠かせない装置
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただいたことで、クリーンベンチとはどのような装置かご理解いただけたと思います。
クリーンベンチは空気の清浄化に役立つものですが、ニーズに合わせて適した種類を選ぶことが必要です。 オリエンタル技研ではストレスなく作業を行えるデザインのクリーンベンチを、タイプごとにご用意しております。
もしこれからクリーンベンチを導入したいと考えられているなら、作業場に適した製品をご提案可能です。ぜひお気軽にご相談ください。