クリーンルームの種類は?各方式の特徴とクラスによる違いを確認

クリーンルームは、半導体や精密機器に関する工場のほか、医薬品工場、医療現場などで多く利用されています。中には、導入を検討しているものの、さまざまな種類があるため、どれを導入すればよいか分からず悩む方も多いでしょう。
そこで、本コラムでは、クリーンルームについて詳しく知りたい方のために、代表的な種類を解説します。この記事を読むことでクリーンルームのクラスについても分かるようになるので、ぜひご覧ください。
Contents:目次
クリーンルームとは?
クリーンルームとは、空気の清浄度が管理されている部屋を指します。空気中を浮遊している浮遊微小粒子や浮遊微生物などの汚染物質が、規程の清浄度レベル以下に管理されているのが特徴です。
高い清浄度を維持するには、以下の微粒子に対する4原則を守ることが重要です。
【微粒子に対する4原則】
- 持ち込まない
- 発生させない
- 堆積させない
- 排除する
微粒子を含む異物を徹底的に管理することが重要です。まずはそもそもルーム内に持ち込まないための対策を取り、仮に異物が発生してしまったとしてもそれを排除できる仕組みを整えておくことが求められます。
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クリーンルームの種類
ここでは、代表的な種類を6つご紹介します。
選ぶ種類によって特徴が異なるため、まずはどの程度の清浄度クラスが必要になるのかを考えておかなければなりません。
清浄度クラスは高ければ高いほどよいと考える方もいるかもしれません。ただし、高性能なものほど費用が高くなります。オーバースペックにならないように注意しましょう。
なお、導入する種類を検討する際には、将来的に取り扱う可能性があるものも考慮する必要があります。
パッケージエアコン乱流方式
中でも特に広く普及しているのが、パッケージエアコン乱流方式です。天井部分から空気が吹き出され、ルーム内にある微粒子などを含んだ空気は、床や壁部分に設置されている吸気口へと換気されていきます。
天井から噴き出される空気によって、多方向に空気の流れを作ることが可能です。
そのため、清浄度を均一に保たなければならない場合に適しています。
ただし、気流が滞留しやすいため、高い清浄度が必要なケースには適していません。清浄度クラス1,000〜100,000程度であれば対応可能です。
パッケージエアコン上乗FU方式
パッケージエアコンのファンを高清圧化させる形で「HEPAフィルター」と呼ばれる空気内の微粒子を捕集できる高性能なエアフィルターを通した空気を循環させる種類です。設備コストが安く、スペースを取らないため、コンパクトなクリーンルームを求める場合に適しています。
特に、既設室を利用する形でクリーンクロスなどと組み合わせれば、大幅に導入費用を抑えることが可能です。そのため、あまり予算を割けない場合にも選ばれています。
ただし、高い清浄度を必要とする場合には向いていません。
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露点飽和散水乱流方式
前述のパッケージエアコン乱流方式と同様に、乱流方式です。空調機に露点飽和散水システムを採用しています。
露点飽和散水システムとは、空気の性質を使うことによって飽和空気を作り出し、それを再熱することで所定の温湿度にするシステムのことです。高精度な制御が可能であり、常温で自然の摂理を利用した加湿によってランニングコストを抑えられます。
直膨乱流方式
乱流方式であり、天井から下方向に向かって空気を吹き出し、循環させる種類です。複数設置されている吹き出し口には、それぞれHEPAフィルターが搭載されています。
乱流方式ということもあり、一定方向に空気が流れるタイプとは違ってルーム内の空気が循環しやすいのが特徴です。
ただし、清浄度の要求が高いものには適していません。また、空気の流れが滞る場所が発生する可能性も考慮する必要があります。
垂直層流方式
高い清浄度を求める場合に適した方式です。天井から床までに垂直気流を作り出すのが特徴で、クリーンルーム内で発生する塵や外部からの侵入の影響を受けにくいのが特徴です。
他の方式ではルーム内の場所によって清浄度が異なることがありますが、垂直層流方式は全体的に安定した高い清浄度を維持できるのが特徴です。
ただし、高度な清浄度を維持できる一方で、建設費や設備費が高くなる点に注意が必要です。管理やメンテナンスも専門性が高くなります。
水平層流方式
壁一面にHEPAフィルターを設置し、反対側の壁に向かって水平に空気を流す方式です。特に上流付近は清浄度が高くなります。
ただし、下流側では上流側と比較して清浄度が低下してしまう点に注意が必要です。
全体的に清浄度は高く、発生した微粒子は速やかに排出されます。このことから、病院の手術室や無菌病室など、非常に清浄度レベルの高いクリーンルームが必要な場合に向いている種類です。
クリーンルームのクラス
クリーンルームにおけるクラスとは、清浄度の等級のことです。数字が小さい方が高い清浄空間であることを示しており、ルーム内がどれほどきれいか、微粒子が少ないかといったものを示すものです。
アメリカで米国連邦規格として制定されたのが始まりとなっています。
一口にクリーンルームといっても求められる清浄度はケースによって異なり、性能面において優れている種類のほうがより設備費、運転費が高額となります。そのため、高い清浄度を必要としない場合、清浄度クラスを下げることで費用を抑えられるため、必要に応じて適切な環境を整えることが重要です。
日本ではFED規格やISO規格が主に使用されています。
FED規格
FED規格は、日本で古くから使用されており、現在も多くの場面で採用されています。
| 清浄度クラス/測定粒径 | 0.1μm | 0.2μm | 0.3μm | 0.5μm | 5μm |
|---|---|---|---|---|---|
| クラス1 | 35 | 7.5 | 3 | 1 | - |
| クラス10 | 350 | 75 | 30 | 10 | - |
| クラス100 | - | 750 | 300 | 100 | - |
| クラス1,000 | - | - | - | 1,000 | 7 |
| クラス10,000 | - | - | - | 10,000 | 70 |
| クラス100,000 | - | - | - | 100,000 | 700 |
アメリカ連邦規格のことで、空気1立方フィートあたりに存在する0.5μm以上の微粒子の数からクラス分けされているのが特徴です。
例えば、クラス1,000では0.5μm以上の微粒子が1,000個であり、これがクラス名の由来です。
FED規格は2001年にISO規格へ統一されましたが、業界では慣習的に使用されるケースも多く見られます。
ISO規格
ISO規格では、1立方メートルの空気中に存在する0.1μm以上の粒子の数を基準にクラス分けを行います。クラスは1〜9の9種類です。
| 清浄度クラス/測定粒径 | 0.1μm | 0.2μm | 0.3μm | 0.5μm | 1.0μm | 5.0μm |
|---|---|---|---|---|---|---|
| クラス1 | 10 | 2 | - | - | - | - |
| クラス2 | 100 | 24 | 10 | 4 | - | - |
| クラス3 | 1,000 | 237 | 102 | 35 | 8 | - |
| クラス4 | 10,000 | 2,370 | 1,020 | 352 | 83 | - |
| クラス5 | 100,000 | 23,700 | 10,200 | 3,520 | 832 | 29 |
| クラス6 | 1,000,000 | 237,000 | 102,000 | 35,200 | 8,320 | 293 |
| クラス7 | - | - | - | 352,000 | 83,200 | 2,930 |
| クラス8 | - | - | - | 3,520,000 | 832,000 | 29,300 |
| クラス9 | - | - | - | 35,200,000 | 8,320,000 | 293,000 |
現状の国際統一規格として使用されています。FED規格と比較すると、ISO5レベルはFED規格のクラス100に相当します。
クリーンルームは適した種類・クラスを選ぶことが重要
この記事では、クリーンルームの種類とクラスについて解説しました。代表的な種類やクラスの違いについて理解を深めていただけたのではないでしょうか。
クリーンルームに求める特徴や清浄度から適したものを選んでいく形になります。
部屋全体をクリーンルーム化するだけでなく、作業内容によってはクリーンベンチを用いた局所的な清浄空間の構築がコスト・運用面で適している場合があります。
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