2021.06.07

ヒュームフード(ドラフトチャンバー)更新時のポイント

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ヒュームフード(ドラフトチャンバー)は研究者を有害ガス・粉塵から保護する重要な研究設備ですが、老朽化により安全性・機能性・快適性が損なわれてしまうおそれがあります。

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1. ヒュームフード(ドラフトチャンバー)更新のチェックポイント

ヒュームフードの更新を検討する上で確認していただきたい事項をまとめました。
1つでも当てはまる場合には、安全のためヒュームフードの使用を停止し、更新をご検討ください。

  • メーカーによるメンテナンス・修理でも適切な性能が発揮されない
  • 著しい劣化が見られる(錆び・損傷・フレームの歪みなど)
  • 購入後10年が経過している
    ※1990年代までに製造されたヒュームフードにはアスベストや鉛が含有されている可能性もあり、継続しての使⽤は⼤変危険です。

2. ヒュームフード(ドラフトチャンバー)更新にまつわるTO DOリスト

既存のヒュームフード(ドラフトチャンバー)を廃棄し、新設ヒュームフードに更新するまでにどのような「やるべきこと」があるかを整理しています。

実験内容を考慮しながら、省エネ性・機能性にも優れたヒュームフードを選定することを推奨します。詳しくはこちらをご覧ください。
また、ヒュームフードの更新にあたっては、既存の排風機(ファン)や排気ダクトが更新後のヒュームフードに適合しているかを確認する必要があります。

  • 既存排風機・排気ダクトの性能確認
  • 内装・作業面の材質選定
  • 必要風量の決定 - 低風量タイプ(高封じ込め型)、風量可変制御(VAV)タイプ、ダクトレスフードの導入検討
  • 実験空間にふさわしいデザインの検討


ヒュームフードは「産業廃棄物」として処理する必要があります。
また1990年代までに製造されたヒュームフードにはアスベスト(石綿)を含むものも多く、「石綿障害予防規則」により解体等の作業前にはアスベストの使用有無を事前調査することが義務付けられています。

  • 産業廃棄物処理申請
  • アスベスト事前調査(含有している場合除去)
  • ユーティリティ(水・電気・ガス等)切断工事
  • ヒュームフードの解体撤去・廃棄


労働安全衛生法により、「局所排気装置」として使用するヒュームフードは設置・移設・変更工事の30日以上前までに所轄の労働基準監督署に届出を行う必要があります。

  • 届出書類の準備(摘要書・計算書・排気系統図等)
  • 労働基準監督署への届出書類提出・承認


新設のヒュームフードに既存の排気ダクトやユーティリティを接続します。
また労働安全衛生法により、1年以内に1回は定期自主検査を行わなければなりません。

  • 新設ヒュームフードの据付
  • 排気ダクト・ユーティリティの再接続
  • 試運転調整
  • (使用開始後)定期自主検査

※本リストはあくまでも参考資料です。実際に更新される場合、一部ステップや項目が変更になる場合があります。

3. 省エネ型ヒュームフードで地球環境への負荷と
運用コストを抑制

ヒュームフード更新の際には、実験内容を考慮して適切な仕様を選定する必要があります。
封じ込め技術・制御技術の進歩で、かつては⼤量の室内空気を屋外排気していたヒュームフードも空調負荷を抑えることが可能になりました。空調負荷の低減は研究所全体のエネルギー消費量を削減するばかりでなく、排出された有害物質による⼤気汚染のリスクを抑えることにもつながります。また、使⽤される薬品の量や種類によっては、フィルター吸着式の完全屋内排気型「ダクトレスヒュームフード」もご使⽤が可能です。

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