2021.09.10

「ラボの引越」に備えた機器調査のススメ

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ラボの引っ越し

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ORIENTALでは、お客様にてご使用いただける「機器調査リスト」のフォーマットをご用意いたしました。
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ラボの引越や移転では、多くのトラブルがつきものです。
こうしたトラブルのほとんどは引越前の事前調査が十分でない、または調査時に重要なポイントが抜けているといったことに起因しています。
来たるべきラボの引越・移転をスムーズに完了できるように、ご使用中の研究設備や実験機器を調査することを推奨いたします。

このコラムでは、不十分な事前調査が招いたトラブル事例を紹介しながら、調査で見落としがちなポイントをご説明します。

1. トラブル事例

トラブル事例
  • 物品の並び順や関連性を記録しなかったため、台と台上品の紐づけが困難になり、その後の移設先レイアウトや工程の検討に支障が出た。
  • 調査時に装置付帯品(PCやプリンタ等)の寸法を加味しておらず、予定していた場所に物品が置けなかった。
  • ハンドルや背面の突起部などが正確に採寸されていなかったため、搬入出の際に装置がエレベーターに入らず、急遽クレーンを使うことになってしまった。
  • レイアウト図では横並びで部屋に収まる予定だったフリーザーが、実際に置いてみるとギュウギュウで扉も開けられない状態になった。
  • 単相100V 15Aを2回路要する装置の電源に関して、リストに電流の合計値を記載したため、30A 1回路が用意されてしまった。
  • 移転リストとは別に、既に資産管理用のリストが存在していたため、結果的に組織内での物品管理が煩雑になった。

2. 調査のポイント

調査のポイント
  • 調査・表記ルールの策定と徹底

    「入口から時計回りに外周を調査後、島型に設置されている物品に移る」などルールを策定することで、その後の資料展開(レイアウトの検討など)が容易になります。
    また「実験台⇒台上の装置⇒台下の装置⇒別の実験台...」といった調査順を決めたり、リスト上の物品名を表記する際に対応する実験台の情報を併記したりすることで、第三者が物品どうしの関係性を理解しやすくなります。

  • 既存資料があれば統合の検討を

    移転調査を期に資産管理番号などを併せて記入することで、その後の多目的な管理資料のベースとなります。また既に資産台帳などが存在する場合、移転調査でもう一度資産管理番号を調べて現存リストと照合・統合することで、以降は資産管理と位置情報、必要ユーティリティ情報が一元化され、管理が円滑化されます。


調査のポイント
  • 採寸は「エリア」でとる

    HPLCなどの分析機器は、装置本体の寸法だけでなく、付帯するPCやプリンタ、手元作業のスペース等まで含んだ全体的な寸法で採寸し、レイアウト時に必要スペースを確保した方が良いでしょう。

  • 大型装置は厳密な採寸を

    ディープフリーザーなどの解体ができない大型装置については、数mmの誤差がエレベーターへの積載や扉の通過に影響するため、ハンドルや背面の制御パネルなどの突起部も正確に採寸しておく必要があります。


調査のポイント
  • クリアランスを確保する

    フリーザーやインキュベーターなどは、稼働時の扉の開きしろを加味して採寸するか、レイアウト策定時にクリアランスを充分に取る必要があります。また排熱を要する装置、ボンベ交換などで頻繁に人が立ち入る装置は、そのためのスペース確保も必要です。

  • 正確なユーティリティ情報を得る

    基本的には装置側面や背面にある銘版(型式やシリアル番号、必要電源などの情報が纏められたラベル)の確認が必須です。
    なお複数の構成物から成るシステムは、各コンポーネントの電源合算と必要回路数がイコールでない場合もあるので注意が必要です。
    (例:100Vで稼働する装置4台が各々5A, 6A, 2A, 7Aを要する場合、電流値の合計は20Aですが、建物側で用意すべき電源は15A*2回路となります)

3. ラボの引越が決まったときに
確認したいTO DOリスト

ラボの引越・移設が決まった場合に、お客様がどういった順番で何をすべきかを整理しています。
※本リストはあくまでも参考資料です。プロジェクトの規模や内容によって内容や期限は変動します。

  • 物品調査・物品リスト作成

    品名、型式、メーカー、寸法、必要ユーティリティ、シリアル番号などの調査およびリスト化


  • 移転作業条件調整

    一度に全て移転を行うか/業務の完全停止を避けて分割移転するか
    リスト非掲載品(書類や備品等)の梱包/開梱はお客様自身で行うか/業者が行うか

  • 移転先レイアウト策定

    リスト掲載品をベースとした移設先での物品配置検討~レイアウト作図

  • ユーティリティ調整

    上記レイアウトに即した電源や給排水などの敷設計画


  • 金額調整~発注

    移転や改修に係る各種費用の業者見積取得~発注

  • 契約図確認~承認

    物品レイアウトやユーティリティ敷設計画の承認~着工許可

  • 実務工程調整

    各種工事の具体的な作業日程の調整


  • 荷造り

    物品リストに掲載していない製品をお客様自身で梱包される場合に必要です

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ご紹介しましたように、ラボの引越・移設には多くのノウハウとマネジメントが必要になります。
ORIENTALでは、専門のスタッフがお客様のご意見を伺い情報共有し、移転先での研究が効率よく快適に行える研究空間を実現できるような移設プランをご提案します。
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