三井製糖株式会社 研究開発拠点

三井製糖株式会社
研究開発拠点

Client: 三井製糖株式会社
Location: 東京都新宿区
Completion: 2020年11月
Design: オリエンタル技研工業株式会社
Renovation: オリエンタル技研工業株式会社

オフィスビルにラボを立ち上げる

安心・信頼・天然の食品素材を提供する同社にとって、「砂糖」の研究と分析は最も重要な業務の一つです。その内容は多岐に渡り、砂糖そのものの分析をはじめとして、加熱などの調理変化に対しての観察・分析など、幅広い分析を行っています。

お客様や他部門との交流を活性化させることを目的に、都内のオフィスビルへのラボ移転が計画されました。 オフィスビル内に機能的なラボを構築するためには、様々な点に留意する必要があります。当社では事前のヒアリング・機器調査を入念に実施し、新拠点の設計・施工と旧拠点からの移転まで、一連の業務を実施させていただきました。

ビル側の設備インフラを見極め

お客様のニーズに対応する

オフィスビルはあくまで「借りるスペース」ですので、十分な設備がなかったり増設ができない場合がほとんどです。オフィスビルにラボを構築する際には、「建屋側の設備インフラの状況」を把握することが最も重要です。

本プロジェクトでは、機器一つずつに対して電気・給排水・特殊ガスなどの設備情報を細やかに調査することで「どのような設備が必要となるのか」、「テナント側の設備限界値はどの程度なのか」を見極め、お客様とテナントオーナーを交えて工事や運用方法の着地点を見つけていくことで、設備計画を柔軟に進めました。

排気・排熱計画を多角的に判断する

ラボを構築する上で、意外と見落としがちなのが機器の排熱です。冷凍庫や大型機器などの排熱量は非常に多く、適切な空調対策を施さなければ部屋の快適性が大きく損なわれてしまう恐れがあります。また、テナントラボでは機器設置スぺ―スにも制限がかかる場合が多いため、入念な調査と計画を行うことが大切です。

実験機器に加えて大型の加熱機器が運用されていたため、機器の発する熱量や移転前の空調機器の仕様、移転先の設備設置スペースなどを総合的に判断して、空調計画を行いました。

移転のシミュレーションが

リノベーションのヒントに

機器の移転と改修を同時に行う場合には、「機器が搬入できずに一度壁を壊すことになった」、「希望する機器のレイアウト位置にどうしても必要なユーティリティを設置できなかった」といった問題が頻繁に生じます。

改修工事と移転業務を包括して実施するプロジェクトであったため、各工程のチームが一つになって移転シミュレーションを実施し、問題の抽出と共有を行いました。例えば大型機器の移動に焦点を当てることで「その機器の搬入ルートのみ改修工事の移転タイミングを遅らせる」、「その機器に必要な場所に設備配管と取り出し口を適切に設置する」等のチーム間の要求を柔軟に処理することができました。

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