2021.06.07

分析室の新しいアスベスト(石綿)ばく露対策ソリューション

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従来、アスベストの粉じんが発散する屋内作業場については、当該粉じんの発散源を密閉する設備、屋外排気方式の局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けることが義務付けられていました。しかし、平成30年4月公布(同年6月施行)の石綿障害予防規則等の改正により、一定の条件のもと、排気口を屋内に設けることが可能となり、室内循環方式の装置でアスベストの分析作業を行うことができるようになりました。

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石綿障害予防規則等改正の背景

高度経済成長期、大量のアスベストが日本に輸入され、アスベストを使用した建築材料で多くの建物が次々と建てられました。このような建築が耐用年数を迎え解体・改修工事が行われるのは、この先10~20年がピークだと言われています。

解体・改修工事を行う際には、原則として、その建物にアスベストが含有されているかどうかを調査することが義務付けられています。設計図書などの文書や目視で確認できない場合、原則として、アスベスト分析を実施する必要があります。

これに伴い、アスベスト分析の需要増加が予想されるなか、様々な環境でアスベスト分析が実施できるようにするための法改正の必要性が議論されるようになりました。

その結果、平成30年4月6日「石綿障害予防規則等の一部を改正する省令(厚生労働省令第59号)」が公布され、局所排気装置の要件を定める第十六条に下記の規定が追記されました。

排気口は、屋外に設けられていること。ただし、石綿の分析の作業に労働者を従事させる場合において、排気口からの石綿等の粉じんの排出を防止するための措置を講じたときは、この限りではない。

平成30年4月に法改正

「石綿の分析の作業」と
「排気口からの石綿等の粉じんの排出を防止するための措置」とは

この改正に合わせて、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令の施行等について(基発 0528 第1号 平成30年5月28日)」が通達されました。ここでは、石綿障害予防規則第十六条における「石綿の分析の作業」と「排気口からの石綿等の粉じんの排出を防止するための措置」が次のように定義されています。

石綿の分析の作業

第1項及び第2項の「石綿の分析の作業」とは、石綿の分析に際して行う、秤量、顕微鏡観察、試料調整や粉砕の作業が挙げられること。なお、石綿小体に係る病理検査やプレパラートを顕微鏡観察する作業など石綿粉じんの発散しない作業については石綿則第12条の適用がないこと。

排気口からの石綿等の粉じんの排出を防止するための措置

第1項及び第2項の「排気口からの石綿等の粉じんの排出を防止するための措置」とは、国が専門家を参集して行った「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」における検討結果を受け、次の(ア)及び(イ)のいずれも満たすものとして取り扱うこと。
(ア)除じん装置は、ろ過方式とし、HEPAフィルターなど捕集効率が99.97%以上のろ過材を使用すること
(イ)正常に除じんできていることを確認するため次のすべての措置を講じること

  • 局所排気装置等の設置時・移転時やフィルターの交換時には、除じん装置が適切に粉じんを捕集することを確認すること。確認の方法としては、例えば、①微粒子計測器(いわゆるパーティクルカウンター)により排気の粒子濃度を室内のバックグラウンドと比較すること、又は②スモークテスターをたいて排気口で粉じんが検出されないことを粉じん相対濃度計(いわゆるデジタル粉じん計)若しくは微粒子計測器により確認することが挙げられること。
  • 除じん装置を1月以内ごとに1回点検すること。点検の主な内容としては、除じん装置の主要部分の損傷、脱落、異常音等の異常の有無、除じん効果の確認等があること。除じん効果の確認方法については、上記の設置時等における粉じんの捕集の確認方法があること。
  • 石綿分析作業中に、除じん装置の排気口において、半年以内ごとに1回、総繊維数濃度の測定を行い、排気口において総繊維数濃度が管理濃度の10分の1を上回らないことを確認すること。その際、測定は、ろ過捕集方式及び計数方法によること。なお、繊維数の計数は技術等を要するため、十分な経験及び必要な能力を有する者が行うことが望ましいこと。
  • これらの確認・点検で問題が認められた場合は、直ちに補修・フィルターの交換等の必要な改善措置を講じること。
点検項目

まとめ

平成30年の法改正により、定期的な点検で安全性を確認することを条件に、アスベストの分析作業を室内循環方式の装置で行うことが可能となりました。これにより、テナントビルのような屋外排気方式のヒュームフードの設置が難しい環境でも分析作業を行うことができるようになりました。

※本ページの内容は、2021年5月時点で公表されている法令等をもとに、作成しております。今後段階的に基準等が公表される場合もあるため、最新の法令等をご確認ください。理由の如何を問わず、閲覧者が法令等を誤認し生じた損害について、当社は一切責任を負わないものとします。

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