オリエンタル技研 総合カタログ CO39
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 空間設計において、私は「人間性の本質」を基準に考えています。人々がどのように働き、交流するかを元に設計し、その空間がそれを使う人々にとって最も有益となるデザインを追求しています。 日本では、研究空間に関する計画はほぼ過去の慣習を基準にしており、利用者に重点を置くことが難しく、あたりまえの人間性が十二分に考慮されていないと感じます。その中で、新しい研究施設の在り方を示し、具現化しているのが、「オリエンタル技研工業」のSPACE DESIGNです。人間工学に基づいた色やより優しい素材を使って設計することで、科学者にとってよりフレンドリーな研究環境を創出しています。考え抜かれ精巧に作り上げられた総合的設計は、研究施設を専門とするアメリカの設計事務所などからも評価されています。作業環境をより人間的なものにする、視覚的制御や静かな作業エリア、良い空気環境といったものを重視することは、日本の研究環境の向上を牽引し、大きく進展させていくでしょう。 今後、ラボにおける研究手法や機材は絶えず進化していくと思いますが、空間設計において必要不可欠な「6つの要素」については、ロボットや最先端機器が研究環境に導入されていくにつれ、さらに重要なものになっていくはずです。より多くの技術が研究に導入されればされるほど、人間的な環境を維持することは欠かすことのできない要素になると、私は考えています。日本のラボ環境を大きく進展「人間性」の本質追求はさらに重要にみています。例えば、生物学的システムの研究の場合、あるニューロンがどのように電気信号を発生させ細胞応答を起こすかを理解するには、原子、分子、生物学、数学レベルに及ぶ複合的な研究が必要となります。そのため研究施設は、この先端的研究に即した機能を持たなければならないわけです。 OISTの各研究棟は回廊で結ばれ、そこには機能や分野による境界がありません。個別の研究部門はなく、多くの場合、各ラボの間にドアもありません。キャンパスレベル、研究棟レベル、フロアレベル、そして各ラボ内部で、協働を促すための仕掛けを検討し取り入れています。また、各研究棟に高い建築工学的、機械工学的、電気工学的な機能を持たせており、あらゆるラボ・研究者をいつでも受け入れることができます。023

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