オリエンタル技研 総合カタログ CO39
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設が機能的でない場合には絶えず改修が必要となり、結果として研究プログラムの遅れやコストの増大を招きます。「効率性(Efficiency)」には、共有機器や空間がいかに効率的に使用され作業できるかといった要素が含まれます。空間が効率的であれば、研究者の作業効率も上がり、コラボレーションの機会も増えます。更に21世紀の研究施設では、地球環境への配慮が重大な責務となっていますが、機械や電気設備が高効率であれば、エネルギー消費量を削減することが可能となります。「共創性(Collaborative)」は、現代の最先端研究には不可欠な要素です。いかなる自然のシステムも単独で存在し機能するものではないため、各分野の専門家が分野横断的に共同研究を行うことにより、より良い科学的理解・考察を得ることができます。「快適性(Comfortable)」とは、建築家が建物をデザインする上での最低限の責務です。人は快適さや安全なものに自然に惹きつけられ、快適な作業空間は、長時間の集中作業を行う研究者のストレスを軽減させます。「魅力的(Attractive)」な施設には、数多くの利点があります。誰もが魅力のない場所より魅力のある場所で働くことを選びます。つまり知恵の競走時代にあって、優秀な人材を呼び寄せる大きな要素となります。研究施設は研究者たちの士気を上げ、目的達成を支援するものでなければならないわけですから、以上の必須条件を欠いているならば、引く手あまたの優れた研究者は、自分の未来を投資するにふさわしい別の場所を探すことになるでしょう。 「魅力的」という言葉は、私の理想とする研究施設の多くの重要な特徴を含んでいます。人は誰でも素晴らしい景観や美術作品、建築、詩、人間関係、スポーツの妙技、自然の偉業などに感化されます。研究環境も同じように、それが革新的で美しく、働きやすいものであれば、研究者たちの感性を刺激し、豊かなインスピレーションを与えることができるでしょう。魅力的な施設に研究者は集まると先に述べましたが、研究施設の成功は研究者の目的達成によってもたらされるため、「最良の研究者を惹きつける力」は、最も重要なテーマになります。 「魅力」には、全ての感覚に関するものが含まれます。最も重要なのは視覚ですが、匂いや音の感覚も然りです。私たちは、人々がより快適に感じるよう、住宅やオフィスで用いているものと同じ「素材」をラボの内部でもできる限り使用しています。例として、鉄よりも木の方が音響を吸収し静かであるため、木製のキャビネットを多く使用することなどが挙げられます。人を惹き付け、インスピレーションを活気づける研究環境021

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